BDSMテストを受けてみたら、結果に知らない横文字がずらりと並んでいた。
ドミナント、サブミッシブ、リガー、ブラット、スイッチ……。
パーセンテージはついているけれど、そもそも何のことか分からない——。
このページは、その結果に出てくるタイプ名を読み解くための早見ガイドです。
ひとつずつ意味を説明して、もっと知りたい人のために、それぞれの記事への入口も置いておきます。
はじめに――数値は「判決」ではなく「今の地図」
タイプ名の説明に入る前に、いちばん大事なことを。
テストの結果は、あなたを決めつけるラベルではありません。
「ドミナント85%」と出ても、それは「今のあなたが、こういう傾向に反応しやすい」という一枚の地図にすぎない。
体調でも、相手でも、関係が育つほどでも、数字は動きます。
そして——この数値を、相手に何かを強制する口実に使わないこと。
「テストでこう出たんだから付き合ってよ」は、合意ではありません。
結果は、自分を知る手がかりであって、相手を動かす道具ではない。
ここを押さえたうえで、読み進めてください。
読み方のコツ――「対」と「軸」で見る
タイプ名は、たいてい対(ペア)になっています。
「する側/される側」「導く側/委ねる側」のように、向かい合わせで読むと一気に分かりやすくなる。
そしてもうひとつ。
これらは別々の独立した「軸」の現れです。
たとえば「縛る・縛られる」と「導く・委ねる」は、まったく別の軸。
だから「縛る側だけど、委ねたい人」も、ちゃんと成り立ちます。
ひとつのラベルで自分を縛らず、複数の軸の組み合わせとして読むのがコツです。
導く/委ねる――ドミナント・サブミッシブ・スイッチ
関係の主導権をめぐる、いちばん基本の軸です。
- ドミナント=主導権を握り、導く側を好む人。支配は「上に立つ」ことではなく、相手を預かり、守ることでもあります(→ドミナントの心理)
- サブミッシブ=主導権を委ね、ついていく側を好む人。「弱いから従う」のではなく、委ねることで満たされる・必要とされる喜びがあります
- スイッチ=場面や相手、気分で、攻守が入れ替わる人。役割は固定しなくていい(→ふたりともスイッチという形)
そもそも「権力を渡す・受け取る」とは何かが、この軸の土台です。
縛る/縛られる――リガー・ロープバニー
縄や拘束をめぐる軸。導く・委ねるとは別の軸です。
- リガー(ロープトップ)=縄をかける側を好む人。技術と美学、そして相手を預かる責任
- ロープバニー=縛られる側を好む人。委ねの可視化、感覚への集中、包まれる安心
縄は神経・血流・首まわりに本当の危険があります。どちらの側も、安全を学んでから。
与える/受ける(刺激)――サディスト・マゾヒスト
痛みや強い刺激をめぐる軸。これも導く・委ねるとは別物です。
- サディスト=合意の上で、痛みや刺激を与えることに快を感じる人。「ドム=サド」ではありません
- マゾヒスト=合意の上で、痛みや刺激を受けることに快を感じる人。こちらも「サブ=マゾ」とは限りません
刺激のやり取りは、安全な部位とウォームアップ、そして段階を踏むことが前提です。
手を焼かせる/受けて立つ――ブラット・ブラットテイマー
駆け引きそのものを楽しむ軸。
- ブラット=わざと逆らい、手を焼かせ、最後は組み伏せてほしい受け手
- ブラットテイマー=その反抗を受けて立ち、手なずける側
(→ブラットとブラットテイマー)。「遊びの抵抗」と「本気の拒否」の線引きが、この遊びの命です。
守る/甘える――ダディ&マミー・リトル
力でなく、温かさで導く関係の型です。
ここで必ず伝えたいこと。
リトルやケアギバーの関係は、幼さの”気分”を演じる大人どうしのロールプレイであって、実在の子どもへの関心=小児性愛とは、まったく無関係です。
混同されやすいからこそ、はっきり区別します(→DDlg・ケアギバーとは)。
最も深い主従――マスター・スレイブ
- マスター/スレイブ=主従関係の、最も深く継続的な形。刺激の強さのことではなく、関係が暮らしの隅々まで及ぶ「深さ・継続性」を指します
重い形ほど、経験と対話と信頼の積み重ねが要ります(→M/s・TPEという形・D/sの濃さ)。「濃い=偉い」ではありません。
見る/見られる――ヴォワイヤー・エキシビショニスト
- ヴォワイヤー=合意の上で「見る」ことに高ぶる側
- エキシビショニスト=合意の上で「見られる」ことに高ぶる側
ただし、同意のない覗き・撮影・公共での露出は犯罪です。ここは合意と一線の話が欠かせません。
貶める/貶められる――ディグレーダー・ディグレーディー
- ディグレーダー=合意の上で、相手を辱める言葉や扱いをする側
- ディグレーディー=合意の上で、辱められることに解放を感じる受け手
これは罰や本心の否定ではなく、ふたりの合意の中で「落とされる・辱められる」体験そのものを求める遊び。
褒めて高める言葉責めとは逆向きですが、根は同じ「言葉の力」です。
羞恥が強いぶん、終わったあとのケアが欠かせません。
このページの使い方
- 結果に出たタイプ名を、ここで意味だけ確認する
- 気になった型は、リンク先の記事でじっくり読む
- 高い数値も低い数値も、「自分を知る手がかり」として眺める
- 相手の結果と並べるときは、「これは気になる/これは無理」を話せる関係を先に
僕らの場合
僕らも、付き合ってしばらくしてテストを受けてみました。
出た結果は、正直「言われてみればそうかも」という納得と、「え、こんな傾向あった?」という意外の半々でした。
おもしろかったのは、数字そのものより、結果を見ながらふたりで話したことのほうです。
「この項目、ちょっと気になる」「これは絶対ない」と言い合っているうちに、お互いの輪郭が見えてきた。
だから、数値に一喜一憂しなくていいと思っています。
タイプ名は、自分とふたりを知るための言葉。
ラベルに自分を合わせるんじゃなくて、ラベルを使って自分たちを語る——そのくらいの距離感が、ちょうどいい気がします。
まとめ
- BDSMテストの結果は、判決ではなく「今の地図」。数値を相手への強制に使わない
- タイプ名は対で読む/複数の軸の組み合わせで読むと分かりやすい
- 導く・委ねる/縛る・縛られる/与える・受ける……は、それぞれ別の軸
- リトル・ケアギバーは大人のロールプレイ=小児性愛とは無関係。見る・見られる/貶める系は合意とケア、そして無断は犯罪という前提つき
- 気になった型は、各記事でじっくり。地図を片手に、ふたりの言葉を増やしていけば十分です

