ふたりの最初の一式――何から買えばいい?を、順番で答えます

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「SM・D/sを始めてみたいけど、結局、最初に何を買えばいいの?」

これは僕が始める前にいちばん知りたかったことで、たぶんあなたもそうだと思います。
お店に行っても情報が多すぎるし、通販を開いても種類がありすぎて、どれが「自分たちの最初」なのか分からない。

先に結論を言います。最初の一式は、3つでいいんです。
そして大事なのは、その3つを「いっぺんに揃える」ことではなく、順番で持つこと。
この記事は、僕らが実際に遠回りして学んだ「最初の一式」を、順番で答えるまとめです。

買い物の全体像(実店舗と通販、僕らの失敗)は「はじめてのグッズ、どこで何を買う?」に書いたので、この記事は「で、結局なにを?」への具体的な答えだと思ってください。

目次

一式を揃える前に――3つの考え方

商品の前に、選び方の前提を3つだけ。ここがズレると、何を買っても合いません。

  1. 一気に揃えない——「スターターセット」的に全部買うと、半分は使わずに眠ります。プレイの段階が進むたびに「次の一個」を足すほうが、結局むだがない。道具が先・関係が後、は順番が逆です(セットを選ぶなら「SM初心者セットは「全部入り」を買わなくていい」に、2つ使い比べた話を書きました)
  2. 相手に選ばせる——あなたが一方的に買って渡すより、候補を見せて「どっちがいい?」と聞くほうが、相手はずっと喜びます。道具は支配の小道具である前に、ふたりの合意の象徴だから。これはD/sの考え方そのものです
  3. 背伸びしない——憧れの本格的な道具(縄や本格ギア)に最初から手を伸ばさないこと。憧れと、いまのふたりに合うものは違います

この3つを踏まえた上での、最初の一式です。

① ローション――すべての土台

最初の一本は、潤滑ジェル(ローション)です。
地味だけど、これが最初のひとつにもおすすめです。

理由は単純で、快感の底上げと、安全の両方に同時に効くから。
痛みや摩擦は、それだけでプレイの集中を切らします。逆に、なめらかさが確保されているだけで、ふたりとも「不安なく委ねられる」状態に入りやすくなる。
派手な道具より先に、まずここを整えるのが遠回りに見えていちばん近道でした。

選ぶときは、水溶性・低刺激・少し多めの量を目安に。
水溶性は、コンドームともグッズとも相性がよく、洗い流しやすいので最初の一本に向いています(乾いてきたら、足せばだいじょうぶ)。
最初は刺激の強い機能性のものより、シンプルで肌にやさしいものを。

僕らが使っているもの

僕らが最初の一本として長く使っているのが、定番の水溶性ジェルです。
さらっとして洗い流しやすく、コンドームともグッズとも相性を選びません。
選び方や使い分けは「潤滑ジェルとローションの違い」にくわしく書きました。

② 目隠し――拘束より、先にこれ

次が目隠し(アイマスク)。千円台から買えるのに、効果は劇的です。

視覚を一つ消すだけで、触れられる感覚も、次に何が起きるかという期待も、別物になる。
「拘束で体の自由を奪う」より先に、「目隠しで視覚を委ねる」ほうが、心理的なハードルがずっと低いんです。
縛られるのは怖くても、目を閉じるのは委ねやすい。最初の「委ねる体験」として、これ以上ない入口だと思います。

選ぶときは、遮光がしっかりしていて、肌当たりのやわらかいものを。
安すぎて光が漏れると効果が半減します。

目隠しを選ぶなら

これは僕らが使っている現物そのものではありません。使ってよかった目隠しの特長(遮光・肌当たり)を基準に、調べて選んだ近い一品です。

遮光のしっかりした、SM入門の定番タイプ。最初の「視覚を委ねる」体験にちょうどいい一枚です。

③ やわらかい手首の拘束具――「委ねる」を、形にする

3つ目が、やわらかい素材の手首の拘束具。「委ねる」という気持ちを、初めてにする道具です。

ここで大事なのは、金属の手錠を選ばないこと
いきなり硬く外れないものは、安全面でも心理面でもハードルが高い。
布やソフトな素材で、すぐに緩められて、嫌になったらいつでも解ける——その「いつでもやめられる安心」があるからこそ、人は安心して委ねられます。
これはセーフワードと同じ思想です。

最初は「拘束する側」も緊張します。だから、外しやすさ=安心を基準に選んでください。

そして、拘束には心の安心だけでなく、体の安全も要ります。
手首と拘束具のあいだに、指が1本入るくらいの余裕を残すこと。
きつすぎると血が止まったり、しびれが出ます。
相手の手先が冷たい・白い・しびれるようなら、すぐに解いてください。
いつでも切れるように、先の丸い安全ハサミを手の届くところに置いておくと安心です。
そして、目隠しや拘束をしているあいだは、相手から目を離さないこと

それから、道具を使う前に、やめたい合図(セーフワード)を先に決めておくのも忘れずに。
目隠し中や、声を出しにくい体勢のときのために、「握ったタオルを落とす」「指を鳴らす」といった言葉以外の合図も決めておくと、もっと安心して委ねられます。

手首の拘束具を選ぶなら

これは僕らが使っている現物そのものではありません。使ってよかった拘束具の特長(金属手錠でない・調整できる・すぐ外せる)を基準に、調べて選んだ近い一品です。

やわらかいレザー調のベルト式で、バックルで締め具合を調整でき、留め具(ナスカン)でいつでも外せます。
金属の手錠のように硬く固定されないので、最初の「委ねる」にも安心です。手首と足首の両方に使えるセットなので、ふたりのペースで少しずつ試せます。

手枷・足枷セット

最初の一式は、ここまで

ローション・目隠し・やわらかい拘束。
この3つがあれば、SM・D/sの「入口の遊び場」はもう十分に作れます。

逆に、最初はこれ以上いりません。
道具を増やすより、この3つで何度かちゃんと遊んで、終わったあとに互いをケアする——その往復のほうが、ずっとふたりを育てます。
アフターケアの話は「アフターケアの教科書」に書きました。

次の一歩は、関係が育ってから

「もっと先」が見えてきたら、次の候補はこのあたりです。
ただし急がなくていい

  • ランジェリー/コスプレ——道具で刺激を足すのではなく、装いで”空気”を変える方向。普段と違う見た目は、それだけで視覚の演出になるし、「見せる/見られる」という心理がプレイに厚みを出します。強度を上げる前に、まずここを試すほうが、僕らには自然でした。贈り方・選び方は「下着を贈るということ」に書きます
  • 首輪——これは特別な道具です。所有や絆の象徴になるぶん、関係がじゅうぶん育ってから。僕らにとって首輪が何だったかは「首輪が持つ意味」に書きました

そして、そのさらに先——革のハーネスや、ムチ・パドルといったインパクト系の本格ギア。
ここはあえて「最初の一式」には入れません。
安全の前提がぐっと増える領域なので、片手間に薦める道具ではなく、それぞれ専用の記事でていねいに扱う予定です。
憧れと、いまのふたりに合うものは違う——その順番だけは、最後まで崩さないでください。

買い方のこと――ふたりで、画面を見ながら

最後に、どこで買うか。
僕らの結論は、カップルでじっくり選ぶなら通販でした。

ソファで並んで「これは?」「こっちが好き」と画面を見ながら選ぶ時間そのものに価値があるからです。
一緒に選ぶことが、もう前戯みたいなもので。
「最初の一式」を選ぶ作業は、それ自体がふたりの合意をつくる時間です。

実店舗と通販を両方試した遍歴と、そこでやらかした失敗は「はじめてのグッズ、どこで何を買う?」に書きました。

まとめ

  • 最初の一式は3つでいい:①ローション ②目隠し ③やわらかい拘束
  • 揃え方の原則:一気に揃えない/相手に選ばせる/背伸びしない
  • 順番が大事:派手な道具より、土台(ローション)→委ねる入口(目隠し)→形にする(拘束)
  • ランジェリー・首輪は「次の一歩」。急がない
  • 買うなら通販で、ふたりで画面を見ながら選ぶ時間ごと楽しむ

道具は、ふたりの関係を急に変えてくれる魔法ではありません。
でも、ふたりがすでに持っている信頼に、新しい遊び場をくれる。
順番さえ間違えなければ、最初の一式を選ぶことそのものが、ふたりの楽しい時間になります。

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