おもちゃにハマったら、僕は要らなくなる?――「バイブ依存」の不安に答える

白状します。
僕は一度、彼女へのおもちゃのプレゼントをやめたことがあります。

買う直前まで行ったんです。
彼女が好きそうな刺激のタイプも調べてあった。
でも、ふと手が止まりました。
「これ、僕の手より気持ちよかったら、どうなるんだろう」「彼女がこれで満足するようになったら、僕の出番は……」——笑われそうな話ですが、当時は結構まじめに悩んで、結局その時は見送りました。

あとから知ったのですが、この不安を抱えるのは僕だけではなく、おもちゃの導入を考えた人の多くが一度は通る道のようです。
今日は過去の自分に向けて、事実と誤解を切り分けながら、この不安に答えます。

目次

まず、不安に根拠が「ゼロ」ではないという話

気休めから入りたくないので、先に事実の側を書きます。

強い振動の刺激に毎日のように頼り続けると、体がその強度に慣れて、より穏やかな刺激(手や口)では反応しにくく感じる時期が生じることはありえます
感覚が強い刺激の水準に合ってしまう、いわば「音量に慣れる」現象です。

ただし、ここからが大事です。

  • これは永続的な変化ではありません。使用を控えれば、感覚は時間とともに戻っていくのが一般的です。

「壊れる」「戻らなくなる」という巷の脅し文句は誇張です

  • 問題になるのは主に「強い刺激×高頻度のソロ使用」が習慣化した場合

ふたりのプレイにときどき登場する程度の使い方で、パートナーの手の価値が消えるようなことは起きません

つまりあの日の僕の直感は、半分だけ正しかった。リスクは道具そのものではなく、使い方の中にある——これが事実側の結論です。

そして、不安の核心は感度の話じゃなかった

でも正直なところ、僕が本当に恐れていたのは感度うんぬんではありませんでした。「機械に負けるかもしれない」——こっちが本音です。

この恐れには、はっきり答えが出せます。おもちゃとあなたは、そもそも同じ土俵にいません

おもちゃが提供するのは刺激です。
一定で、正確で、疲れない刺激。
そこは機械の勝ちでいいんです。
でも、彼女が夜の時間に受け取っているものは刺激だけではありません。
見られていること。
望まれていること。
反応を読まれて、次の一手を変えてもらえること。
体温。
重み。
終わったあとの腕。機械には、相手がいません
刺激は出せても、「あなたといる」は出せない。

「おもちゃに取って代わられる」という不安は、自分の価値を「刺激の出力」で測ったときにだけ成立します。
あなたの価値がそこにないことは、たぶん彼女のほうがよく知っています。

鍵は「誰が操作するか」

そのうえで、後日おもちゃを迎えるにあたって僕が出した結論が、これです。

ソロ用に「渡す」のではなく、ふたりのプレイで「自分が操作する」道具にする。

同じ道具でも、この違いは決定的です。
彼女がひとりで使う道具は、たしかに「あなたの代替」になりえます。
でもあなたの手の中にある道具は、あなたの手の延長です。
強さを決めるのも、当てる場所を決めるのも、焦らすのも、止めるのもあなた。
道具が増えるほど、あなたの演出の幅が広がる。
D/sの文脈ならなおさらで、刺激の主導権を握っている限り、道具はあなたの支配の道具です。

それに、手や口には物理的な限界があります。
疲れる、同時に2箇所までしか攻められない、一定のリズムを10分続けられない。
道具は「自分にできないこと」を埋める補完と考えると、商売敵ではなくチームメイトになります。

導入のコツは最初のグッズ選びでも書いた通り、ふたりで選ぶこと。
そして欲を言えば、最強の刺激からではなく、穏やかなものから。
刺激の上限をいきなり上げないのは、足し算より引き算の発想とも繋がります。

まとめ

  • 「強い刺激×高頻度のソロ使用」で穏やかな刺激に反応しにくくなる時期はありえる。ただし永続ではなく、使い方の問題
  • 「機械に負ける」は土俵の勘違い。おもちゃは刺激しか出せない。あなたは相手そのもの
  • 解決の鍵は「誰が操作するか」。ソロ用に渡さず、ふたりのプレイであなたが操作する道具に
  • 道具は手の代替ではなく、手にできないことを埋める補完。ふたりで選び、穏やかなものから

あの日棚に戻したおもちゃを、いまの僕なら迷わず買います。
ただし渡し方だけ、こう言い添えて——「これは君のじゃなくて、ふたりのだからね」。

目次